はじめに
昭和の末には 90 万台も設置されていた公衆電話は、平成に入ってから徐々にケータイにその役目を奪われていきました。 最近の世間はすっかり令和色に染まり上がってしまい、街を歩いていてもスマホを覗き込むことに夢中で公衆電話なんぞは目に入らなくなってしまいました。 そんな冷淡な令和の世の中であっても、電話を持たない人や災害時などの緊急の連絡に供せられるよう、一定程度の距離に一台ずつ設置されているようです。
ひとえに公衆電話といっても、その種類はさまざまあります。 街中によくある緑色のアナログ公衆電話やコンピュータをインターネットに接続できる灰色のディジタル公衆電話などは、日本電信電話株式会社(NTT)やその子会社が直々にサービスを提供している公衆電話です。 対して、病院や喫茶店などにしばしば置いてあるピンク色の公衆電話、いわゆる「ピンク電話」は、特殊簡易公衆電話と呼ばれるものです。 この公衆電話は病院や喫茶店などがサービスの一環として設置するものであり、NTT は間接的にサービスを提供する形になります。
それはそれとして
2024 年の電信電話記念日前夜、ジミニーちゃんとのジャンケン勝負に三連敗したみかんちゃんのお家には、例のピンク電話が担ぎ込まれていました。
ひとまず内線に繋げて動作確認をしてみました。 2200 円という破格の安さのジャンク品でありながら、この公衆電話は電話機としての役目を果せることがわかりました。
もっとちゃんと使いたい
電話機として働ける身体であることはわかりましたが、液晶画面には無が表示されています。 電話機から得られる情報が何もないことには、各種の設定もできません。 まずは本体のガワを取り外して中身を確認してみましょう。
あ、液晶の基板のちょうど裏側に死んでいるコンデンサを発見。 液晶画面に何も表示されないのはきっとこいつのせいですから、ここを修理してみましょう。
幸いにも基板は侵されていないようです。 どこの家庭にもある 16 V 10 μF の電解コンデンサを適当に見繕って、付け替えてやりましょう。
もう少し上手にハンダ付けしたいですね。
この後、ガワを組み上げ直して電源を入れてやると、そこには液晶画面の復活したピンク電話が「ゴリヨウニ ナレマス」と宣っていました。 おかげさまで保留中であることもしっかりと確認できます。
おわりに
おわりです。
おまけ: 各種の設定方法
ワンプッシュダイヤルなどの設定は、設定は料金箱の引き出しを開けたところにある 登録 ボタンから行えます。 液晶画面に設定項目が表示されるので、あとは雰囲気でなんとかなります。 頑張ってください。
おまけ: 公衆電話の使い方
平成のガキや令和のガキは公衆電話の使い方を知らないようなので、ここで軽く説明しておきます。
- 受話器を取ります。
- 受話器を耳に当て、「プー」と音が鳴っていることを確認します。
- 10 円玉や 100 円玉を投入します。 予め複数枚の硬貨を投入しておけます。 100 円玉を投入する場合、お釣りは返ってこないことに注意してください。
- 呼び出す相手の電話番号を入力します。
- 電話番号を入力してしばらくすると「プルルルル」と呼出音が鳴り、相手を呼び出します。 番号を間違った場合には受話器を置くと最初からやり直せます。
- 相手が応答すると課金が開始されます。
- 通話が終わったら受話器を置きます。
- 通話料金より多い金額を投入していた場合、受話器を置くと同時に返却されます。